感染症よもやま話

2018 01/18 子育て中のママパパへ

かけがえのない幸せ

クリニックを受診する患者さんにはいろいろなタイプの人がいます。明るく、まわりの人を爽やかにする人、いつも笑顔の人、また受診して欲しいと思います。非常に客観的に自分の子どもの病気を説明する人、ひょっとしたら同業者かな、若干警戒します。おばあさんだと思っていたら実は母親、このような場合言葉を間違えると非常にきまずくなります。

「10日前から熱が上がったり、下がったりしています」、子どもの様子を見るとおもちゃに手を出して遊んだりしている。そんなに重い病気ではなさそう。『熱は何度くらいですか』、「39度くらいです」、『そんなに高い熱がずっと出ているのですか』、「そうです」、私はカレンダーを指差して一日一日忍耐強く確認していきます。10日前に2日間38度、前日の夜39度、その間は元気に幼稚園に通っていたそうです。小さい子どもではよくあることですが短期間にカゼに罹ったと思える症例でした。このような場合、診断を間違わないように根掘り葉掘り病状を聞き出していると、どうでもいいから病気を治せばいいのよと言わんばかりに嫌な顔をされることがあります。母親の気持ちとして病気を重く話した方が丁寧に診てもらえると思うのか、熱のことで頭がいっぱいになり整理できないまま話しているのか、40年あまり医者をしていますが、よく分からない事があります。印象としては、いつも不満を持っている人にこのようなタイプの人が多いように思います。

先日、転居した知り合いから手紙をもらいました。

「新しい住まいでの生活は、毎日楽しく過ごす事ができ、家族4人ともとても気に入っています。莉未は喘息のことがあったので、入園する時は少し心配でしたが、今のところ皆勤で幼稚園に喜んで通っています。家族で健やかに過ごせる平穏な日々こそ、とても贅沢なことだと感じます。様々な人や事柄への感謝の気持ちを日々忘れず、これからも過ごしていこうと思います。」

この手紙を頂いて久しぶりにいいお母さんに出会えたようなほのぼのした気持ちになりました。感謝すること、自然に感謝の気持ちを持てればそれは幸せそのものだと思います。それが小さな、取るに足りないさ細な事でも十分です。家族4人が揃って、贅沢な暮らしでなくても感謝できる、こんな家族が増えればいいなと思っています。

キリスト教保育連盟 発行の ともに育つ (2011年10月号)