感染症よもやま話

2018 01/18 子育て中のママパパへ

子育ての難しさ

クリニックには常連と言ってはおかしいですが、鼻水、咳などでそれほど大きな病気でなくても月に2~3回来る子がいます。3歳半の由美ちゃん、6歳の卓也君も遊び感覚でやってくるそのような兄妹です。
ある時卓也君が高い熱をだして受診しました。扁桃腺炎の熱だったのですが病気の説明をして帰ってもらおうとしたら、由美ちゃんが次は私の番と診察椅子にちょこんと座りました。お母さんは卓也君の薬を薬局で貰って、早く家に戻って卓也君の面倒を見ようとあせっていますから、由美ちゃんの手を引いて帰ろうとしました。すると収まらないのが由美ちゃんです。いつも同じ扱いをしてもらっているのに今日は自分がのけ者にされたと思ったのでしょう、急に泣き出しました。そこで私はお兄ちゃんと同じように由美ちゃんを診察しました。お母さんは恐縮していましたが由美ちゃんはにこにこ顔になり、3人手をつないで帰っていきました。

小さな子どもは素直に自分の気持ちを表しますが基本的には人は皆同じように扱われたい、のけ者にされたくない、だれかに愛されていたい、そのような気持ちは非常に強いと思います。下に子どもが生まれた時、殆どの場合はうまく新しい家族を受け入れられるのですが、たまにぎくしゃくすることがあります。母親は赤ちゃんだけを大事にして上の子をないがしろにすることはないのですが、平等に接するよう最大限の努力をしているのに上の子が赤ちゃんを叩いたりするのを見ると逆上し、自分はどうしたらいいのだろうと落ち込んでしまうこともあります。このような時一番大事なことは夫がしっかり妻をサポートすることです。食事を一緒にしながら、今日一日の出来事を妻から聞き、父親としての意見を話し、母として間違ったことはしていない、そのことは夫であるぼくが一番分かっていると妻に話せれば最高です。子育てについての共通の認識が出来ればお母さんは自信を持って、産後のうつ的気分ものりきれます。

子どもを育てるということは親も精神的に成長することだと思います。小さい子どもに難しいことを言っても分からないのだからごまかせばいい、適当にその場をしのげばいいと接していると、子どもは親を信用しなくなるし、親も行き当たりばったりの生活になるように思います。いつも誠心誠意、だれが相手であっても態度を変えないこと、大事なことと思っています。

キリスト教保育連盟 発行の ともに育つ (2012年2月号)