インフルエンザ、新型コロナウイルス、子宮頸がん、BCG
【インフルエンザワクチン】
例年、秋から冬にかけてインフルエンザの流行がみられていましたが2020~2021年シーズンは全くインフルエンザの流行はみられませんでした。この原因は、手洗い、マスク、3密を避けるなど感染を防ぐ努力が大きく働いたことは事実でしょうが、それよりもウイルス干渉(☞Wikipedia)によってインフルエンザ感染がブロックされたことも原因と思います。次シーズンもインフルエンザ流行がないだろうと考えるのは危険です。インフルエンザに対する抗体を維持するため例年と同様にインフルエンザワクチン接種は必要です。
【新型コロナウイルスワクチン】
現在、12歳以上が新型コロナウイルスワクチン接種対象になっています。ワクチンというものは接種を受ける人が利益を受けることが原則です。現在の知見では成人が感染すると重症化することがありますが、12歳~18歳では感染しても軽症ですむことが多いと言われています。すなわち、新型コロナウイルスワクチンは感染すると重症化する年代の人たちに最優先で接種すべきであって、12歳~18歳の人たちを感染蔓延を防ぐ防波堤として利用すべきではないと考えています。しかし、受験を控えている、あるいは、基礎疾患があるなど特殊な例では接種が必要です。当院では個別接種を行っていませんので接種希望者は西中島にある馬場内科クリニックに電話して相談してください(電話:06-6195-3730)。馬場内科クリニックのホームページは ☞コチラ
【ヒトパピローマウイルスワクチン(子宮頸がんワクチン)】
わが国の子宮頸がん患者数(2016年)は11,283名、その内死亡者は2,871名でした。結婚して妊娠、人生で一番幸せを感じているときに子宮頚がんが発見されることもあります。諸外国ではワクチン接種によって子宮頸がんは大幅に予防できる知見が得られています。しかし、わが国では(2013年)『積極的な勧奨については一時延期することを提言する』すなわち、国としては接種を中止するのではないが、親の責任で、希望すれば接種できることになっています。近年、ワクチンの副反応は多くないこと、接種することによる利益の方が大きいという報告が蓄積されてきました。
出来るだけ子宮頸がんワクチンを接種しましょう。
ヒトパピローマウイルスは子宮頸がんだけではなく、尖圭コンジローマ、外陰上皮内腫瘍、膣上皮内腫瘍の原因になることがあり、外国では男性も接種対象になっています。
【BCGワクチン】
今まで集団接種をしていたBCGワクチンが2021年10月から個別接種に変更されます。
標準的な接種期間は生後5か月から8か月に達するまでとされています。
BCGはカルメットとゲランの二人がウシ型結核菌を13年間、230代継体培養し弱毒化に成功したワクチンです。乳幼児における結核性髄膜炎や粟粒結核等の重症結核の予防に極めて有効です。