より道 みち草 雑談コーナー

2020 04/19 子育て中のママパパへ

新型コロナウイルスー小児科医の考え方ー

新型コロナウイルス感染症流行によって、日本全国くまなくstay home家から出てはいけない3密禁止。今までは考えられない状況になり、さらに、医療崩壊の危機が迫っていると報道されています。このような緊迫した世相の中で子どもが病気になれば親はどのように行動すべきか、困っておられることと思います。

長年小児科診療に携わってきた私なりに考えてみました。市中のクリニックでは対象とする疾患は以前から殆どがウイルス疾患(いわゆるカゼ、インフルエンザ、麻しん、水痘など)であったので、今さら新型コロナウイルスが出現しても基本的には診療方法・態度を変えることはありません。標準予防策を守っていればそれだけで十分だと思っています。

TVでこれだけコロナのことが報道されるとコロナ感染症にだけは罹りたくないという気持ちになります。そこで多くの人は子どもが発熱すると『帰国者・接触者相談センター』に電話します。しかし、相談センターは新型コロナ感染への感染の疑いがあるときだけの相談窓口ですので、当然、診断してもらえることはなく、かかりつけのお医者さんで診てもらって下さいとなります。

先日1歳の女の子が受診しました。前の晩、発熱(39℃)、震えていたが、受診時には平熱でした。診察の結果、この子は入院することになり、診断は大腸菌による尿路感染症でした。経験豊かな小児科医は子どもが診察室に入って来たときの表情、顔色、母親からの病歴、理学的所見などあらゆる情報から診断をこころみます。入院させねばならない病態か、外来で治療できる疾患かを的確に判断します。このように選別する能力が要求されるのが小児科医です。

クリニックではコロナ感染の有無は判断できませんが、子どもがいつもと違う、何か心配だと思えば受診して下さい。クリニックはいつも以上に換気、手指の消毒を徹底し、スタッフの健康管理にも注意しています。

新型コロナウイルス感染の可能性があるなら躊躇することなく相談センターに電話して下さい。