感染症よもやま話

2018 10/23 若いお医者さんへ 子育て中のママパパへ

抗体維持のための不活化ポリオワクチン

1980年以降日本では野生株ポリオウイルスによる麻痺患者の発生はありません。ポリオワクチン接種の『おかげ』です。外国では人口全体のポリオの抗体が低下してくると再び流行するのではないかと危惧されています。日本ではすぐに流行する危険レベルではありませんが現行の4回接種では、将来、国民全体のマスとしての抗体が低下する可能性は否定できません。そこで小児科学会は就学前に不活化ポリオ接種を推奨しました(これは自費接種です)。

ここからは私見ですが、国民全体の抗体レベルを維持するため、集団を守る目的とした自費接種には納得できません。ポリオ流行地域(パキスタン、アフガニスタン、シリア、コンゴ、ナイジェリア)への渡航前には自己防衛のためのポリオワクチンは是非必要です。クリニックではこのように特殊な条件の場合に限り接種を勧めることにしています。

4種混合ワクチン(DPTと不活化ポリオを含む注射薬)は使用されていますがこのワクチンは5回目接種することは許可されていません。そのため苦肉の策としてDPTと不活化ポリオを別々に(針を2回刺す)接種することが推奨されることになりました。将来は就学前に4種混合ワクチンを公費で接種することが理想です。