感染症よもやま話

2018 01/18 子育て中のママパパへ

便秘と嘔吐

嘔吐はこどもによく見られる症状の一つです。
医学部の学生に『嘔吐をきたす疾患について述べよ』という問題をだすと細菌性髄膜炎、腸重積症、胃腸炎、虫垂炎、上気道炎、頭部外傷etc.あまりにも多くの病気があるので悲鳴をあげるかもしれません。

こどもが突然嘔吐すると親はなにか重い病気ではないかと心配になってクリニックに来られます。
医師はいつから症状がでたのか、発熱は、下痢は、食欲は、頭を打ったかなど聞き出します。
そして診察をして重い病気の所見がなければ
《おなかをさわるとウンチがたまっているようですが今日ウンチはでましたか。》
「毎日ウンチはでています。」よく知らなくてもこのように返事する親もたまにいます。
《一度浣腸をして便の状態をみましょう。》
「こんなに苦しそうにしているのに浣腸なんかして大丈夫ですか。」聞こえなかったふりをして浣腸をします。そして、大量の立派な便。こどもは実に爽快な顔になります。
《便秘だけでもおなかを痛がったり、何度も嘔吐することは時々あります。これからは便秘にならないように注意しましょう。》

集団生活が始まったり、転宅などで生活のリズムが狂った時には便秘になることはよくあります。
そこでお母さんに便秘の予防法について話します。

《先ず、食事については繊維の多いくだもの、野菜そして水分を十分にとることが大事です。そして何よりも規則正しい生活です。食物を食べると体の中で消化吸収され、残渣が便として排出されます。食事の時間がばらばらだと消化器のリズムがうまくできあがりません。決まった時間に起きて三度の食事も、就寝時間も規則的、このようなリズムを体に覚え込ますことが育児の基本だと思います。お母さんはこどもと落ち着ける時間を探して下さい。そして絵本を一冊用意して下さい。こどもを便器に座らせて絵本を読む、便がでれば褒めてあげて下さい。でなければまた明日読もうね、ウンチをすることが楽しいことだと思えれば大成功です。》

テレビで便秘薬のコマーシャルを見かけますが便秘に悩んでいる人のなかには小さい時にこのような育て方をされなかった人がいるのかも知れません。育児は目立たないことの繰り返しのようにみえますが、小さなことの積み重ねが大人になるためにとても大事なことだとお母さん達に知っていただきたいと思っています。

キリスト者保育連盟(東京都新宿区西早稲田2-3-18-75)発行の月刊誌 『ともに育つ』 第479号(2009年2月1日)に寄稿、掲載されました。