感染症よもやま話

2018 01/18 若いお医者さんへ

Marquis Who’s who in the World 2012

2012年秋、生後間もないころから私が診ているかわいいお嬢さんがインフルエンザ予防接種のために来られました。

「久しぶりやな、元気にしていた? 今どうしているの?」
『M女子大学で英文学、今は図書館の司書の勉強をしているの』

私には図書館で一度調べておきたいことがあったので彼女に聞きました。
「いい所に来た。Marquis Who’s who in the World 2012 と言う本の中に僕の名前が載っているか、調べてほしいけど時間あるかな?」
『それは何の本?』
「Marquis はアメリカの出版社、Who’s whoは 紳士録のこと、Wikipedia の説明では《国家元首および親族、政府首脳、政界実力者、財界実力者、大企業の経営者、ノーベル賞受賞者などの著名な学識経験者、世界的に活躍する芸術家や芸能人、オリンピックや世界大会のメダリストおよび世界記録保持者、世界的ベストセラー作家のように、国際的に著名である人物はとりわけ重点的に選出される。これに加えて、無名であっても極めて独創性が高い芸術的・学術的創作活動、顕著な社会的活動を行った人物、とりわけ理工系の科学者も重視する傾向にある》となっている」
『どうしてそんな本に先生の名前が載っているかも知れないの?』
「2009年に英語で細菌性髄膜炎の論文を書いたけど、その後にMarquis 社から紳士録に掲載するために個人情報(国籍、生年月日、宗教、兵役有無、学歴、職歴 etc.)などを聞いてきたの。多くの個人情報を知らせるのは遠慮して、日本で小児科医院の院長をしていること、生年月日、妻、両親の名前、学歴、学位、クリニックの住所、メールアドレス、英語で電話がかかって来たら嫌だったので電話番号はパス、とにかく差し障りのないことだけを送っておいた訳。勿論掲載料も払わないし、出来上がった本も購入しなくていいことを確認してから」

一週間ほどしてから
『この前の紳士録、大学の図書館にあったよ。細かい字でたった4行だけど先生の名前が載っていたよ』と言ってコピーを持ってきてくれました。分厚い本なのでコピー台にしっかり密着させられないので歪んだコピーですが、確かに私が送った情報が記載されていました。私も悪い気がしないのでこの本を購入してクリニックに置いておこうかと思い、アマゾンで調べましたが一冊48,774円もするし、何の役にもたちそうもないので止めることにしました。
Wikipedia には気になる記載もあります。《本書での選出基準は、あくまで米国の価値観に基づく著名人であり、日本の価値観とは同一ではないことに注意すべきである。》 なるほど私は日本では著明ではありませんからこれは正解です。

先日、散歩のついでに三田市立図書館で現物を見ようと思い寄ってみましたがこの本はありませんでした。それほどポピュラーな本ではないのでしょうが、おそらく英語圏の国の主な図書館の蔵書にはあると思います。
この本の効果と言えば、最近、英文メールでバイアグラ購入の宣伝が増えたように思います。電話番号をいれなくてよかったです。